『梨泰院クラス』の日本リメイク、
『六本木クラス』が炎上しています。
大人気Netflix韓ドラの『梨泰院クラス』。
日本リメイク『六本木クラス』が
7月からテレ朝の連ドラとして放送されます。
しかしキャストが次々と決まるにつれて
「ひどい」「最悪」とブーイングの嵐。
今回は『六本木クラス』が失敗の理由5選を
解説いたします。
『六本木クラス』が7月からスタート(『梨泰院クラス』日本リメイク)
大人気Netflix韓ドラの『梨泰院クラス』。
日本リメイク『六本木クラス』が7月から
テレ朝の連ドラとして放送されます。
放送時間は毎週木曜日の夜9時。
『梨泰院クラス』の主人公パク・セロイにあたる役は竹内涼真。
チョ・イソは平手友梨奈、
オ・スアは新木優子が演じます。
韓国のケーブルテレビ史上7位の高視聴率となったヒット作『梨泰院クラス』のリメイクのため注目度が高いです。
しかしその分、作品のクオリティは
厳しい目で見られることになります。
ネットではキャストが決まるとブーイングの嵐。
「『六本木クラス』は失敗する」
という見方が強いです。
そこで、
なぜ『六本木クラス』は失敗するのか?
というテーマで分析してみました。
六本木クラス【失敗理由5選】「ひどい・最悪」の声多数。梨泰院クラスと比較してみた
日本リメイク『六本木クラス』が
失敗する理由は以下の5つです。
・原作比較60%減の放送時間
・つたない映像作品の支援体制
・「出演者かぶり」の少ないドラマ事情
・原作とは程遠いロケ地の雰囲気
・挿入歌への思い入れが皆無
原作比較60%減の放送時間

最大の失敗理由は放送時間の圧倒的な差です。
原作『梨泰院クラス』の放送時間は以下の通り。
◆『梨泰院クラス』の放送時間
全エピソード合計:1,112分
(18時間30分)
エピソード1:74分
エピソード2:67分
エピソード3:66分
エピソード4:64分
エピソード5:68分
エピソード6:68分
エピソード7:70分
エピソード8:66分
エピソード9:67分
エピソード10:71分
エピソード11:71分
エピソード12:70分
エピソード13:70分
エピソード14:66分
エピソード15:66分
エピソード16:88分
日本リメイク『六本木クラス』の放送時間は、
過去テレ朝連ドラを参考にすると以下の通り。
CMの時間はカウントしておりません。
◆『六本木クラス』の放送時間
全エピソード合計:480分
(8時間)
エピソード1:65分
エピソード2:50分
エピソード3:50分
エピソード4:50分
エピソード5:50分
エピソード6:50分
エピソード7:50分
エピソード8:50分
エピソード9:65分
『梨泰院クラス』は『六本木クラス』の
2.3倍のボリュームがあります。
『梨泰院クラス』のストーリーを
半分のボリュームで表現できるでしょうか?
観た方であれば無謀なことは一目瞭然です。
つたない映像作品の支援体制

日本の映像作品の支援体制は
ほぼ機能していません。
世界進出を前提に作る韓国、内輪向けに作る日本
とも表現されているほどです。
韓国は人口5200万人。
1億2600万人の日本の40%しかありません。
そのためマーケットが小さく、
映像作品を海外輸出することに注力しています。
作品のクオリティも
全世界にウケる内容が求められます。
なぜ全世界にウケる作品が作れるのか?
その理由は「韓国コンテンツ振興院(通称:KOCCA)」という公的機関の存在です。
国もその(映像コンテンツ支援の)重要性を理解し、準行政機関の韓国コンテンツ振興院というコンテンツ産業を育成する総合支援体制の構築を進めています。アメリカ、日本、ヨーロッパなどにビジネスセンターを置いて、コンテンツの輸出に寄与しています
https://diamond.jp/articles/-/249911?page=3
この振興院は制作費の補助や人材の養成も
行っています。
日本に公的機関はなく、
経済産業省が補助金やイベントを開催していますが現状打破には繋がっていません。
この差は大きく、外国語映画で初めて、
韓国はアカデミー作品賞受賞しました。
(2019年『パラサイト』)
少なすぎる「出演者かぶり」

「韓ドラあるある」として、
「あ!この俳優さん他の韓ドラで観た!」
という「出演者かぶり」があります。
『梨泰院クラス』の主人公パク・セロイを演じた
パク・ソジュン。
日本と中国でリメイクされた
『彼女はキレイだった』で男主人公を、
『キム秘書はいったい、なぜ?』で
主人公を演じています。
私も上記三作品を観ましたが、
同じ俳優が登場すると物語がさらに楽しくなりました。
注目の若手俳優も多く、
作品ごとの演じ分けに感動します。
もともとクオリティの高い韓ドラ同士の
相乗効果は日本の比ではありません。
韓国の「出演者かぶり」が頻発する背景を
見てみましょう。
1980年代後半になってようやく民主化が実現した韓国では、娯楽産業であるテレビドラマや映画の俳優に対する社会的地位はずっと低いままだった。そのため報酬も少なく、俳優業だけで食べていけない人たちが、副業を掛け持ちすることも珍しくなかった。決して恵まれているとは言えない職業だっただけに、初めから敬遠する人や志があっても途中で辞めてしまう人もいた。
苦しい時代を生き抜いた人たちが、現在ではベテラン俳優として韓国ドラマを支えている。報酬も昔に比べれば格段によくなったが、ドラマの数が増えた今も、ベテラン俳優たちの絶対数は足りていない。
https://www.wowkorea.jp/section/column/read/165780.htm
「出演者かぶり」頻発により、
ベテラン俳優の負担増という問題も生んでいます。
ベテラン俳優たちの体力や熱意が、
韓ドラの海外人気を支えています。
原作とは程遠いロケ地の雰囲気
六本木は原作の梨泰院ロケ地の雰囲気とは
かけ離れた街です。
これは「梨泰院クラスロケ地巡り」の
動画を観た方がはやいです。
六本木のような高層ビルや高級店ではなく、
下町のように敷居が低いお店が並び、
親しみやすさを感じるのが梨泰院の特徴です。
梨泰院には外国人の方がたくさん住んでおり、
中東料理やブラジル料理、
東欧やアフリカの料理など、
様々なタイプの飲食店が揃っています。
その結果、異国情緒あふれる街となり観光客を魅了するのです。
挿入歌への思い入れが皆無
最後はドラマを盛り上げに重要な音楽です。
『梨泰院クラス』の挿入歌、「Sweet Night」は大人気グループ「BTS」のVが作曲しています。
V本人は原作マンガのファンであり、
主人公を演じたパク・ソジュンとも親しい間柄。
『梨泰院クラス』の挿入歌に懸ける想いも強く、
「Sweet Night」は世界103カ国の
iTunesチャートで1位を獲得しました。
『六本木クラス』の挿入歌は未発表ですが、
日本人作曲の場合は原作との繋がりも薄く、
視聴者の心をどれだけ動かせる音楽になるかは不明です。
ちなみに、ドラマの主題歌「시작」は
韓国のチャートで1位を取る人気ぶりです。
韓ドラはこの先も日本を沼らせる!
以上、『六本木クラス』が失敗の理由5選の解説でした。
・原作比60%減の放送時間
・つたない映像作品の支援体制
・「出演者かぶり」の少ないドラマ事情
・原作とは程遠いロケ地の雰囲気
・挿入歌への思い入れが皆無
皆さんは日本リメイクについて、
どのように考えるでしょうか。
日本の映像作品に
大きな影響を与えている韓ドラ。
今後、「『梨泰院クラス』超え」のドラマは現れるのか。
韓国の映像作品事業から目が離せません。
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